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コールド・マウンテン

まったく知りませんでしたが、原作は"20世紀の「風と共に去りぬ」"とも呼ばれているようです。確かに、南北戦争を生き抜いた強い女性の物語という面では、同じようなものかもしれません。でも、この作品の主題は、そこじゃない気がするんですよね。
以前、小説を読んだときには、インマンがコールドマウンテンに戻ってきて少年兵と一騎打ちをして死ぬところで、わたしは、震えが止まらなくなるくらい感動した記憶があります。たしか、インマンは少年兵を見逃がそうと思いながら近づいたのですが、追い詰められたと感じた少年兵が、死に物狂いで撃った弾が、たまたま彼に当たり、「これでやっと、狂った人殺しとしてではなく、善良な人間として、エイダのもとに帰ってこれた」と思いながら、彼は安らかに息をひきとる、ということだったと思います。ふつうの日本人が書く物語だったら、たぶんこんなことにはなりません。こういう展開に触れると、やっぱりアメリカってキリスト教の国なんだと再認識します。でも、この映画、その、私的には大事なところの描写がちょっと弱い気が...。これだと、インマンが最後にエイダに言うセリフが、消化不良になってしまう人が多いのではないでしょうか。"20世紀の「風と共に去りぬ」"ということで、エイダの成長物語に、より重点を置いたというのはわかります。でも、それなら、この際、長さも「風と共に去りぬ」と同じ程度にして、さらに丁寧に仕上げてもらいたかったな、というのが個人的な感想です。