ワーク・ルールズ

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

会社の人に、これ読んでみて、と渡されたので読んでみました。個人の考え方は、無意識にバイアスがかかっているという序盤の指摘には、なるほど、と思いましたし、全般的にいいことを書いているとは思います。が・・・、なにか、おやっと思うところがないなあと。バイアスの説明から考えても、人が「これはいいことを書いている」と感じる場合、実際には、「ここに書いてあることは、わたしも前から感じていたんだ。わたしってやっぱりすごい!」と思っていることが大半です。ようするに、いい表現に出会ったというだけで、あまりためになってない。そういう意味で、この本は、ほんとうにグーグルで行われていることをまじめに書いていて、とてもいい本だとは思うのですが、わたしには少し「歯ごたえ」がありませんでした。
それと、事業をうまくまわすために必要なことは、人事制度とか従業員の働き方がすべてではありません。なぜ、事業で利益が出るのか?。あたりまえの話ですが、こちらが渡すインセンティブよりも、高いリターンをクライアントやユーザーが返してくれないと事業はまわりません。たとえば、このHatena Blogが成り立つのは、こうやって自発的にブログを書いて情報提供してくれる(ボランティアで働いてくれる)ユーザーが一定数以上いるからです。そのために、どういう仕組みをつくるのかということのほうが、人事制度より、ずっと大事じゃないでしょうか。でも、なぜか、組織を変えたり、自分たちの働き方を変えれば利益がでると思い込んでいる人が(特に大企業では)多いんですよね。とても不思議。なので、製造業の方などが読む場合は、少し注意したほうがいいと思いました。